主人公の一人称なので、彼のじたばた振りにシンクロすると切なくなってしまうのですが、きちんと周りを見渡して、人を信じることが必要だとしみじみさせられ(主人公の場合トラウマがあるのでそれが出来ないわけですけど)、きちんと救われた後のほんわかに本当に心和みました。
そしてまた主人公が恋するしっかり者の委員長もとてもかっこよく、そして可愛いです。すごく普通のことを当たり前にしてあげるって、難しいんですよね。彼はそれができる数少ない人間で、伝わりにくいかもしれないけど本当にいい男って言うのはこういうのを言うんだろうな、と思わせてくれました。こんな彼氏、実際にいたら死ぬまで手を離せませんよ(笑)
帯刀と縫之介の、互いを想い合うが故の悔しさや苦しみが切々と伝わってきて、読んでいて胸をしめつけられるようでした。特に、縫之介は、その帯刀への一途な想いを貫かんとする意志の強さと、でもどこか不器用な幼さもあわせもった凛々しい少年で、とても愛しいです。
メインの二人以外の登場人物も、皆味のある描かれ方をしてあり、作品に厚みを加えています。時代背景も納得の出来るものでした。
文・絵ともに表現が美しく、単なるBLで終わらない完成度の高い、色香が薫るような作品。時代物、和装少年、純愛が好きな方におすすめです。