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クリスタル文庫

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シンデレラを嗤え (クリスタル文庫) 間の楔〈4〉昏迷 (クリスタル文庫) 間の楔〈6〉衝動の引き金 (クリスタル文庫) 間の楔(3) 刻印 (クリスタル文庫) 真夜中の匂い (クリスタル文庫) つめたい花 (クリスタル文庫) 逢うときは、いつも恋人 (クリスタル文庫) 間の楔〈5〉長い夜 (クリスタル文庫) 落語家シリーズ 花扇 (クリスタル文庫) 普通の恋 (クリスタル文庫)
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シンデレラを嗤え (クリスタル文庫)

[ 文庫 ]
シンデレラを嗤え (クリスタル文庫)

・剛 しいら
【成美堂出版】
発売日: 2006-10
参考価格: 500 円(税込)
販売価格:
シンデレラを嗤え (クリスタル文庫)
剛 しいら
カスタマー平均評価:  4
待っていました
雑誌掲載されたのは、いつだったけ・・・?と考えるくらいもう3?4年たちましたよねいまは亡き?「小説June」を、今も大切に持ち、この作品を読み返しては、自分で妄想に耽り、本にならないかなあと首を長くして待っていました。成美堂出版さんありがとう!なんだかむずかしい感想よりもいい作品が一冊の本になったのが嬉しいです。
地味だけど意義深い
不遇に陥っている普通の女の子が、王子様の求愛を受けて幸せを掴むというシンデレラ・ストーリーは、その陳腐さゆえに一時出版界から姿を消したかに見えました。 しかし今から数十年前、近代文学史上最大の工夫――すなわち「ヒロインを男にする」というウラ技により新たな命を与えられ、息を吹き返しました。 このウラ技は魔法の杖です。これさえあれば、陳腐な物語が陳腐でなかった頃の、物語本来の純度の高さをあぶり出しのように浮かび上らせることができる。 お約束のハッピーエンドまで、読書の快楽を保証してくれる実にうまい工夫です。 と、前置きが長くなりましたが、そこにうっちゃりをかましたのがこの作品。 シンデレラ役が攻というのも面白いですが、BLらしからぬ展開と結末がなにより印象的。 不幸とか悲惨とかではない(むしろ極端な不幸はBLの定番ですよね)けれども、ラブラブハッピーエンドでもない。 王子様のお城の中はシンデレラが捨ててきたはずの日常と地続きでした、という結末は、夢ではなくて現実ですから(笑) 読者の年齢、生活環境、人生観などによって、受け取り方は様々でしょう。ちなみに私はニヤリとしました(笑) ベテラン作家の手によりこのような作品が生まれ、出版されるということ自体、このジャンルが勃興期を経て別の局面に入ったとうことなのか・・・と、しばし感慨にふけってしまいました。
オヤジ好きな私のお気に。
アダルトな一冊です。 最近は必ずといっていいほどエロいベッドシーンが入ってますよね。もちろん♪定番ですし私も好きです(笑) しかしそんなやおい調で胃もたれ胃ヤケした方は、こんなオヤジが恋で仕事で人生でウロウロオロオロしてるようなあっさりしたBLなんていかがでしょっ。 オヤジが仕事に家庭に疲れて男に惚れられてグルグルとまわっている様は憐れでもあり可愛くもあり。考えも頭も固くたびたびなんでそんなに考えるかなぁ・・と思いますが実際オヤジはこんなものかも。と思えます。(実際は男に惚れられたからってこんなにあっさりうまくはいきませんが) オヤジ好きな私はこの本はお気に入りです。 ただ受けがちょっと子供っぽいかなぁ。もともと年上が好きなんだろうか? 後書きにありましたが私もこの主人公のオヤジの年ではまだまだ若いと思う世代です。恋に仕事にまだまだまだがんばってほしいです。続き出ないかなぁ♪ こういった話は下手すると「だから何?」みたいな平淡すぎてしまいそう。剛しいら氏ならではかな、さすがです。
シンデレラ、その後(笑)。
ほほう、こうきましたか?ってのが読んだ後の感想でした。さすがベテラン作家さん、一味違います。この中では、一体誰がシンデレラなんだろうな。みんな、シンデレラを夢見るけど、一夜明けたら現実が待ってるんだよ、だけど、それを平凡な日常に変えてしまうか、お伽話を続けていくか、は、きっとこの話を読んだ人たちが決めていくのを、作者さんは期待しておられるのではないでしょうか。一見辛口に思われますが、結構いい感じですよ(^^)v痛くもないし、大人の読み物として、ぜひ読んで頂きたいです。(しいて言えば、攻めにはもうちょっとガツンといって欲しかったのと(笑)、謎の占い師の正体が気になりましたが。)

間の楔〈4〉昏迷 (クリスタル文庫)

[ 文庫 ]
間の楔〈4〉昏迷 (クリスタル文庫)

・吉原 理恵子
【成美堂出版】
発売日: 2005-12
参考価格: 500 円(税込)
販売価格:
間の楔〈4〉昏迷 (クリスタル文庫)
吉原 理恵子
カスタマー平均評価:  5
深いです!!
3巻から1年以上開いてしまいましたが、 待望の4巻です! 本編を読んでいたので、いよいよアノシーンが あるだろう・・・と期待していましたが・・・期待以上!! 楽しみにしていたのは、リキとイアソンの再会のシーン。 リキの部屋に勝手に上がり込み、その後イイ展開になりますが、 その展開が本編を大幅に引き伸ばし、イアソンとリキのやりとり が多くなっています。 ちょっと意外なセリフもあったり、とクサビファンには嬉しい限り ではないでしょうか。

間の楔〈6〉衝動の引き金 (クリスタル文庫)

[ 文庫 ]
間の楔〈6〉衝動の引き金 (クリスタル文庫)

・吉原 理恵子
【成美堂出版】
発売日: 2007-12
参考価格: 500 円(税込)
販売価格:
間の楔〈6〉衝動の引き金 (クリスタル文庫)
吉原 理恵子
カスタマー平均評価:  5
クリスタル文庫では最終巻です。
 助けを求めてリキの部屋に転がり込んできたキリエの処分をめぐってガイとリキは意見が分かれ、決着できない。内心焦るリキの元へカッツェが乗り込んで来て、キリエの情報を要求。カッツェに押し切られるリキの様子にガイが怒りをぶちまけ二人の仲は完全にこじれてしまう。リキはガイとの関係を修復できぬままスラムを去ってイアソンの元へ。  ちょっと切ない展開です。ガイとリキとの間には何か決定的な溝が出来てしまった気がします。ようやく他のブロンディーの皆様の名前がちらほらと出てきました。続きが早く読みたいです。  

間の楔(3) 刻印 (クリスタル文庫)

[ 文庫 ]
間の楔(3) 刻印 (クリスタル文庫)

・吉原 理恵子
【成美堂出版】
発売日: 2004-08-11
参考価格: 500 円(税込)
販売価格:
間の楔(3) 刻印 (クリスタル文庫)
吉原 理恵子
道原 かつみ
カスタマー平均評価:  5
イアソン最高
「刻印」読みました。もう、最高で何回も読み返しました。
イアソンのリキへの執着がすごくて、メロメロになりました。
ダリルも絡んできて、濃厚なシーンが多く良かったです(笑)
イアソンの愛の深さも知ることができたし、今まで知りたか
ったリキとイアソンの3年間を知ることもでき嬉しさ倍増です。
早く次が読みたいと思いました。

真夜中の匂い (クリスタル文庫)

[ 文庫 ]
真夜中の匂い (クリスタル文庫)

・榊 花月
【成美堂出版】
発売日: 2004-08-11
参考価格: 500 円(税込)
販売価格:
真夜中の匂い (クリスタル文庫)
榊 花月
紺野 けい子
カスタマー平均評価:  4
雰囲気が好きでした。
最初は無視された悔しさで物理の臨時講師の棚橋に
近づこうとした未明が、棚橋の冷たい態度や言葉に戸惑いながらも、
どんどん彼に惹かれていく姿が、どこか切なかったです。
棚橋の性格も、同じ作者の「永遠のパズル」などの、ちょっと一癖のある攻めが
大丈夫な方なら、このお話も楽しめるのではないでしょうか。

最後の方で、ちょっとバタバタと終わってしまったような気がしましたが、
全体的な雰囲気がとても好きで、脇にもその後が気になるキャラがいるので、
続きが読みたいなと思いました。


つめたい花 (クリスタル文庫)

[ 文庫 ]
つめたい花 (クリスタル文庫)

・榊 花月
【成美堂出版】
発売日: 2005-10
参考価格: 500 円(税込)
販売価格:
つめたい花 (クリスタル文庫)
榊 花月
カスタマー平均評価:  4.5
私はすごい好き!
前作の「真夜中」よりも私はこちらの方が好きです!! ヒロキと先生の会話のテンポがよくて… 思わずププっと微笑ましくなってしまいました! だからヒロキが過去の自分を自傷するような行為が余計痛ましいというか… 後、何かBLって受けが女々しいのが多くてーたまにイラッとくるんですが… ヒロキの場合、強い所も弱い所もあり、傷がちゃんと傷として書かれてるというか… 弱さが受けだからっと言う風に感じられないのが良かった!! 是非とも ヒロキ&先生の続き書いてほしいです☆
『つめたい花』を手に入れるために
ヒロキは小学生の頃から中学生まで、兄と養父から虐待をうけていたため、 心から嬉しいと思う気持ち・楽しいと感じることがない。 実の母親からも「お前さえいなければ・・・」と罵られ、ひとりで暮らすヒロキは 夜の街で知り合った遊び仲間の少年・ミメイを暴漢から助けたことで、いままで 出会えなかった存在を知る。 そのひとは、ミメイの通う高校の養護教諭。 近親者から性的虐待を受けていたことを話しても、避けることもせず、 慰めることもなく、ヒロキの話すことを静かに聴いて、優しく接してくれるひと。 『センセイが好き』 ?だけど、あの人には恋人がいるかもしれない? 『センセイの傍にいたい』 ?でも、結婚するかもしれない? 永遠に手に入れられない立場と、失くしたくない大切な場所。 伝えたい気持ちと、伝えられない想い。 センセイとこのまま友達でいる?それとも・・・ ミメイが主人公の『真夜中の匂い』で登場したヒロキが主人公のお話です。 クライマックス、<自分の想い>をそれぞれ伝え合うシーンがページ数の関係か、 ちょっと物足りなく感じたので☆4つですが、ヒロキのセンセイへの<想い>が 読んでいてすごく伝わってきて切なくなりました。 『真夜中の匂い』を持って居ない方は、2冊同時に買って、『真夜中の匂い』を 読まれてから『つめたい花』を読んでいただきたいです。 続編を書かれる予定でわざとなのかもしれませんが、ちょっと悪い意味で、 処理しきっていない感のある気になる脇役がいたり、<センセイ>の過去が微妙に 隠されているので、続編があってほしいような、ハッピーエンドのままこれ以上 ヒロキが傷つかないよう続編があってほしくないような。。。 ヒロキの幸せを願います。

逢うときは、いつも恋人 (クリスタル文庫)

[ 文庫 ]
逢うときは、いつも恋人 (クリスタル文庫)

・神奈木 智
【成美堂出版】
発売日: 2005-04-09
参考価格: 500 円(税込)
販売価格:
逢うときは、いつも恋人 (クリスタル文庫)
神奈木 智
紺野 キタ
カスタマー平均評価:   0

間の楔〈5〉長い夜 (クリスタル文庫)

[ 文庫 ]
間の楔〈5〉長い夜 (クリスタル文庫)

・吉原 理恵子
【成美堂出版】
発売日: 2006-06
参考価格: 500 円(税込)
販売価格:
間の楔〈5〉長い夜 (クリスタル文庫)
吉原 理恵子
カスタマー平均評価:  5
やきもきしますっ
本当に、見事なくらいにイアソンは出てません。しかしハードカバー版にかなり加筆されているので、初めて読んでいるかのようです。ハードカバー版を読み返しましたが、そこではほとんど触れられていないリキのルーツが、この文庫版で語られるのではないかと密かに期待しています。
思わずニヤリ!としてしまう。
本編の中盤?後半ですね。 キリエとリキのイザコザの話です。キリエのせいでボコボコに されたり・・・、ガイとのきまずいシーンもあり、キリエの告白あり。 ・・・イアソンは、全く出てきません。ええ本当に。 が、本編では見られなかった、リキがイアソンのことを 考えるシーンがたくさん有るので、この巻もオススメしたいです。 ネタばれになってしまいますが、リキの心のセリフで・・・、 『偏執狂のストーカーはイアソン一人でいい。』 ・・・というのがあり、思わず吹出してしまいました。 他にもDM相手とイアソンを無意識に比べたりして(体の事とか) イアソンが居ない巻なのに、存在感は十分ありました。 キャラのセリフにも注目です。本編よりも若干柔らかくなっていて、 今風なかんじがします。でもしっく馴染んでいます。サスガです。 本編を読んでいて、ラストも知っているのに、尚「続きどうなるの?」と 思わせる吉原先生はスゴいです。

落語家シリーズ 花扇 (クリスタル文庫)

[ 文庫 ]
落語家シリーズ 花扇 (クリスタル文庫)

・剛 しいら
【成美堂出版】
発売日: 2004-08-11
参考価格: 500 円(税込)
販売価格:
落語家シリーズ 花扇 (クリスタル文庫)
剛 しいら
山田 ユギ
カスタマー平均評価:  5
泣けて、泣けて・・・
広く一般社会では、揶揄されるか、黙殺されるか、の二通りの反応しか ないBLノベルズですが、このような素晴らしい作品に出会うと ひそかにほくそ笑むことになります。 「この物語を楽しめる自分は幸せだ」 そしてまたこうも思います。 「もったいない。みんなに教えたい」 これは、ゲイの男性が読んでも感動するのではないでしょうか。 ぜひとも読んでもらいたいものです。 芸達者の噺家が演じる世界にお客がいつのまにか引き込まれるように、 「馬鹿野郎」と半紙に書いて部屋に貼り付ける場面でホロリときて、 師匠の家で夫婦茶碗を発見するところで「ウッ・・」となり 師匠が一度だけ泣いたことがある、というエピソードでついに 「ウワーン」となってしまいました。 演者剛しいら、お題は「師匠の一生をかけた愛」の一席、 お見事でございました。
師匠の魅力。
この小説は、落語の魅力と、師匠の魅力だと思います。

師匠とは、感謝師匠(要)ではなくて初助師匠のこと。

かの御仁の魅力の一つは、めちゃくちゃ色っぽいことです。
他者に「男に抱かれるのではなくて男を喰っている」といわれるほど。
誘い受けとか、クールビューティとか、そんな言葉では追いつけません。”飛んで火に入る夏の虫”の虫が男で、火が師匠。師匠は、たくさんの男達が惹かれてしまう男、なんでしょう。

もう一つの魅力は、ミステリアスさでしょうか。
全作は本当に謎の人物でしたが、今回は師匠の人生の多くが書かれています。それでも、師匠は謎の多い人物です。
それは、年を取った師匠の内面が詳しく書かれていないことからきているのかもしれません。人生も、彼の内面も予想できるのに、それでも「謎多き男」です。

落語の魅力については、ここでは書かきません。(と言うか書けないです。これは読まなくちゃ分からないものに思えます。)
禁断の芸道小説
古典落語の名手だった山九亭初助は1年前に肺ガンで亡くなった。享年65歳。
この生涯独身だった美貌の師匠の謎の生涯を、死後に弟子の山九亭感謝が回想する形式で描く連作もの。

回想されるのは感謝が入門した当時、師匠が40代で、20代だった感謝とその兄弟子との関係は一応ボーイズラブのお約束を果たしているのだが、圧倒的に強烈な魅力を放っているのは初助師匠である。
すでに中年なのに妖しいフェロモン全開。いや本当の芸人ってこういうものでしょう。たぶん。
読めば読むほど、この人の人生、この人の過去、この人の秘密が知りたくてたまらなくなる。

本作「花扇」ではいよいよ初助師匠の謎の前半生がほぼ明らかになり、かなりイレギュラーでハードなHも盛り込まれていますが、それでもこれはBLというより優れた芸道小説として読まれるべきだという気がする。

初助師匠の芸人としての筋の通った生き方は、昭和という時代へのレクイエムであると同時に、テレビ万能の芸能界、美しい言葉が失われていく現代への皮肉でもある。
この作品は、剛しいらの作品中でも最も良いものの一つであると思う。
いまどき落語という題材で、こういう形式でこんなに面白い小説を書ける人はめったにいないでしょう。

それにしても前作「座布団」が絶版になったままなのはあんまりだ。
甥っ子漫才コンビのエピソードもありそうなので、ぜひ前作の再版およびシリーズの続行を希望します。


普通の恋 (クリスタル文庫)

[ 文庫 ]
普通の恋 (クリスタル文庫)

・榎田 尤利
【成美堂出版】
発売日: 2006-10
参考価格: 500 円(税込)
販売価格:
普通の恋 (クリスタル文庫)
榎田 尤利
カスタマー平均評価:  4
リアルな恋。
30過ぎのサラリーマン、おまけにもとノンケの、でもかわいそうなほどぐるぐる悩む、ふつーーの恋のお話。うまくいきそうで、でも誤解が元で一度あきらめて、誤解が解けてハッピーエンド。振り返ってみるとベタと言うか、けっこう王道ですね。ふけてる王道…。なんせかたや38歳ですから。いやみなく、すらすら読めます。普通って、大事だよね、という、けっこう奥の深いメッセージを受け取った気がします。恋愛って、かっこいいことばかりじゃないですね、ほんと。大人の書いた、リアルな普通の恋、でした。
普通の男たちの普通の恋
前作「普通の男」がかなりよかったので、続編が出ると知ったときは本当に嬉しかったです。 前作では、元々ノンケだったはずの二人が互いに魅かれ合い、「普通」や「常識」について思い悩んだあげく恋愛を成就させるまで。プラトニックに終わっていました。 で、今作では、ベッドでの主導権や違和感、相手への独占欲であれやこれや悩むのに、 そのすべてに男のプライドなるものが立ちはだかり、素直になれずに、すれ違って行く二人が描かれています。 なるほど確かに当て馬のような存在が出てくるあたりはご都合主義の香りもするのですが、 それでも王道のストーリーを、「普通」にこだわる男たちの繊細な心情(笑)とあわせて、飽きさせないものにしています。 「大人の恋だからっていつまでもうじうじせんで、ぶつかってこんかー!」と、思わず登場人物の尻をたたきたくなるほど、キャラクターに親近感と愛着をわかせて読みました。 いつまでも子どもっぽいことでぐるぐるして、自己保身に走って素直になれず、 でも一皮むければ10代の若者も真っ赤になるような、情熱的な大人たちの恋物語。 全体的には気恥ずかしくむずがゆく、でもほっこり気持ちがあたたまるような、不器用だけど愛すべき一冊でした。
前作はすごい好きでした。
「普通の男(ひと)」の続編です。 38歳×32歳の普通のひとたちの恋愛。 普通の親父がぐるぐる悩み、葛藤する前作はすごい萌えて切なかったので とても期待してたのですが…。 的場の親父だったり男前だったり意地っ張りなところも 花島の一途で仕事も一生懸命でたまに異様に可愛いところも健在で 萌えも、思わず泣きそうになる切なさもありました。 けれど話の展開が安っぽい印象が拭えません。 すれ違いな展開は大好物なのですが、誤解の仕方が安易です。 片思い中ならまだしも付き合ってるのにそれはないかな、と。 新しい登場人物にしても少し都合がいい気がしてあまりはまれませんでした。 念願の初Hがあったりと続編は嬉しいはずなのですが 前作のままキレイに終わっていてもよかったかなあ、と思ってしまうのが残念です。
評価の★は3?4
これは同著者【普通の男】の続編になります。 榎田著というと魚住君シリーズを挙げる人が多い中、しかし私なら【普通の男】を挙げます。 特別な設定は何もない。主役の2人は安給サラリーマン。特別美形なわけでもない。 出会いが特別でもなければ、情事のシーンがあるわけでもない。(本当に無い) それなのに作品を読み始めたら一気に引きこまれた。 また最後の締め方は物足りないようでいて、余韻と未来を感じさせるものでありこういうのも良いと感じた。 私はこの作品で文章の奥深さを知りました。 攻受の心情が交互に描かれているため入り込みやすく、続編では2人の関係がかなり進展して色っぽいシーンや当て馬的な人物も登場するので作品としては確かに面白い。 しかし個人的には今作の評価を少し下げています。 その理由は、心情を言葉(心の台詞)で語らせ過ぎていることが気になったため。 お互い「好き」という気持ちを自覚した後の続編、という事だからそれも致し方ないのかもしれないが、好き・愛してる・セックスしたい・可愛い・・・そいういった台詞を使いすぎているように感じた。 これが前作なら直接的なセリフを使わずとも、一見意味のない行動を取らせることで隠れた心情を、泣くという行為で戸惑いを、服から覗く手首や背中に欲望を、そんな風に読者に読み取らせる場面が多かったように思う。 そういった部分を期待させる作品だっただけに個人的に少し残念という気持ちもある。 しかしこれは書ける能力を持つ作者だと思うので、ラインが高いところにあるというだけのコト。 作品は面白かった。機会があるようでしたら2作とも読んでみて欲しい。
普通の恋は、特別な恋
続編が出るまで三年かかりましたが、ストーリー上は二日しか経っていません(笑) 前編「普通の男(ひと)」では、的場が花島に告白するところで終わっていますね。 その後二人はコンビニでビールを買い、花島のアパートに帰って無事チューまでいきますが、そこから先に進むのがさあ大変。 38歳にもなってこんなことでグルグル悩む的場が気の毒でもあり、失恋した(と思い込む)ショックで携帯電話をぶっ壊す花島が可愛くもあり。 それもこれも、すべては「普通の男」が「普通の恋」に落ちたから。 あらすじだけを言えば、当て馬登場ですったもんだの挙句またラブラブになるという、 ありふれたBL話にも関わらず、この作者の魔法にかかるとなんて素敵で愛おしい話になるのでしょうか。 新宿二丁目では本当に「トワイライト」が営業していて、「ビジネス新報社」も実在し、的場も花島も、コーちゃんも若宮も朋香も、 みんなみんなこの空の下本当に泣いたり笑ったりしているのではないだろうか。 まるでページ全体がじんわりと発光しているかのような、温もりと明るさ。 子どもの頃からそれなりに読書体験を重ねてきてもなお、こんなに優しく愛おしい気持ちにさせてくれるエダ作品は貴重です。 「すべての恋はひとりひとりに特別なのだから、普通の恋とは、つまり特別な恋なのである」 いいこと言うなあ、当て馬青野!にくいぜ、チキショー。 他作品から意外なカップルがゲスト出演しているのも、キャー嬉しい。 今恋をしている人もそうでない人も、心からお勧めできる一冊です。

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 更新日 2009年8月11日(火)  ※ 表示価格は更新時のものです!      メール