私たちが日常よく用いる愛や恋という言葉にどれほどの多様な心の動きが詰め込まれているか。逆にいえば、うれしい・安心する・気持ちがいい・苦しい・不安…こういった相反する感情をすべて含む「愛する」や「恋する」とはいったいどういうことなのか。
抽象的思考を持たない主人公祐哉はこういった問題に正面から立ち向かわざるを得ない立場にあります。そして、木原音瀬は当然祐哉の行動を追いかける読み手にもこの問題に立ち向かうことを強いるのです。
私にとっては読んでいてとても苦しい、でも何度も読まずにはいられない本です。 心揺さぶられます 読み進めていくにつれ、「この設定でどういう展開が待っているの?」と驚きました。 扱い方にも描写にも、難易度が要求される、希有な設定だと思います。
そして、読み終えた後はとにかく圧倒されました。 佑哉という少年の描き方はこの作家ならではだと思いました。 さりげない筆致で描かれますが、本当に凄い。
これ単独でも問題ないと思いますが、シリーズ前作である『FLOWER』に涙した人は、是非。 これは、その後の谷脇の物語です。 彼のふとした行動に見え隠れするものに、心揺さぶられました。
読んで良かった、と強く思った本です。
☆最初は冗談から始まった出会いだったけれど、年上の気弱な男に惹かれ始め、恋になっていく過程がとてもよかった。無分別な高校生だった浩一が、成長していく姿も、とても好感が持てました。 眠る兎まだ携帯電話の普及していないときのお話です。劇的な一目ぼれではなくじわじわと染み入るような好意から恋愛に到るまでの変化、がいいわ〜という感じです。うんうんこういう気持ちわかるな〜と、電話機の前で好きな人からかかってくる電話をひたすら待ってる先生の気持ちがとってもかわいくて、だから主人公も惹かれたんだろうなと思います。世間体とか対面を気にする先生は、本当に「兎さん」という感じでよかったです。