いくつもの経験を経て、人間に臆病になってしまう。素直な気持ちを伝える事にさえもうまく折り合いをつけて、諦めてしまう。そんな、年齢を重ねた人間だからこその性格をうまく書かれていて、そのせいでどんどんすれ違っていってしまう、ねじれていってしまう二人の関係が切ないです。
レーベル的に性描写が濃い目ですが、その最中にもしっかりと心理描写が描かれているので、内容がより深くなっていると思います。じっくり読めるBL小説をお探しの方は是非。 崎谷氏とやまね氏のゴールデンコンビですが絵も良いし、手馴れた崎谷氏の文もテンポよく読ませてくれる。自己嫌悪に陥る斎の気持ちは共感できるものがあるし、破滅の前に立ち直る姿にもほっとするものがある。でも、主人公の肉付けというかキャラが弱い。筋を追って読んでしまって、読後強く残るものがないのだ。ひょっとしたら、崎谷氏自身、このキャラを動かすにあたり強い思い入れがないのかなあと思った。好きな人はもっと高い点つけるかもしれませんが、そんなワケで星は3つです。あまりネタバレは面白くないので、筋はこれ以上書きません。
ずっと以前に「だからこの手を離さない」と「まだ恋は終わらない」を読んだのですが、それ以降の作品に食指が動かされず、久々に今泉さんの作品を読ませていただきました。「ホント、こんなの待ってたよ〜〜〜っ」という感じです。
欲を言えば、秘書がもともと攻めクンというところが、どうもいまいちピンとこなかったです。この設定、なくても良かったんじゃあないでしょうか?
香澄が細々と神堂の世話を焼いている描写、彼がどんどん神堂に惹かれていく過程、雇用主と家政夫という障害とそれ以上に神堂が昔から想っている人に気づいてしまったことで起こる葛藤が自然な流れでしっかりと書かれていてとても面白かったです。
しかも最後の最後で神堂先生の行動力には驚かされました。こんな風に言われたら香澄でなくともメロメロだー、という感じでした。変なところで律儀で思い切りのいい神堂を堪能できるはずです。
個人的に、挿絵がイマイチ…。私は挿絵も重要視する方なので余計に、別の絵師さんなら話がありきたりでももっと萌えれたかも、と残念に思いました。