若手画伯の息子である主人公は幼い頃から重病と闘いながら、エキセントリックな父親のために家事をするなどしてひっそりと暮らしていた。ある日父親と父親の想い人が二人して行方不明に。主人公は出かけたパーティで鋭い目つきの男に惹きつけられ、言われるままに一夜を共にしてしまう。それは、不自由な身体を抱えて恋に希望を抱けなかった寂しい少年が踏み出した、初めての大胆な一歩だった。
彼が自分を抱くのは別の目的があるからだと思いながらも、男に惹かれていく気持ちを抑えられず、かと言って開き直れもせずに自ら犠牲的な行動をとってしまう主人公。最初は主人公を誤解していたが徐々に真相を知っていき、それでもある目的のために主人公を利用し続けるしかない男。二人の物語はハチャメチャな周囲とのコントラストがはっきりとしていて静謐に、時に情熱的に進んでいきます。 主人公の病気も強く絡んでいて、病気についての知識がなかった私は読んでいて単純に納得してしまいましたがいろいろと難しい問題を含んでいるのではないかと少し心配になったり。それにとても痛々しい描写があるので、そういうのが苦手な人には要注意ですね。
最後には主人公の病気にも明るい兆しが見え始めるのですが、そこが少しあっさりしていたというか、もう少し膨らませてもよかったように思えたので星は4つにしてみました。